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3億円おトクな「夫婦共働き」で30代を乗り切る  2013/1/3

3億円おトクな「夫婦共働き」で30代を乗り切る
第1回 ファイナンシャルプランナー・花輪陽子
 ファイナンシャルプランナー(FP)の花輪陽子です。この連載では、30代の夫婦が共働きをすることにより、先行き不透明な時代を賢く生き抜く方法をお伝えします。30代はこれからの人生を決定づけるとても重要な時期です。仕事では最も脂がのり、出産適齢期とも重なります。責任ある仕事をこなしながら、同時に家事・子育てにも取り組んでいかなければなりません。2人の中長期的な人生戦略を考え、よき戦友として課題に取り組んでいける夫婦が30年後に笑うことができるのです。
 まず、なぜ「夫婦共働き」なのか。それは私と夫の実体験がベースにあります。私はFPになる前、外資系の金融機関に勤務していました。新卒で入社し8年間働いたのですが、リーマン・ショック時に所属していた部門が香港に引き継がれ、私は社内のポジションを失いました。少し前に夫の勤務先(ITベンチャー企業)も黒字倒産をしたばかり。私たち夫婦は、ほぼ同時期に実質的な失業状態に陥ったのです。
 昭和の時代までは当たり前だった「終身雇用」が崩壊しつつあり、計画的な人生プランが立てにくくなっています。35年ローンを組んで住宅を購入し、あらかじめ利率の決まった学資保険や個人年金保険で教育費や老後資産作りを計画する……といったことが難しい時代。このようにかじ取りが困難な時代を乗り切る解決策の一つが「夫婦共働き」です。2人で働くことで当然収入は増えますし、お互いに正社員ならば、将来の年金や退職金を増やすことも考えられます。
 妻の働き方により、生涯賃金が2億円以上変わるということをご存じでしょうか。大卒女性が仕事を中断することなく、38年間働き続けた場合の生涯賃金は退職金込みで約2億7700万円というデータがあります。育児休業を2年間取得し、36年働く場合は約2000万円の逸失額があり、生涯賃金は約2億5700万円になります。出産後退職し、8年間のブランクを経て再就職する場合は正社員として復帰するか、パートとして復帰するかで大きく生涯賃金が変わってきます。正社員として復帰する場合の生涯賃金は約1億7700万円、パートとして復帰する場合の生涯賃金は約4900万円になります。結婚後は専業主婦という場合の生涯賃金は約2200万円になります(*)。
 さらに、老後にもらえる年金額も異なります。2010(平成22)年度の標準的な年金額は夫婦で月23万2592円(厚生年金月10万576円、基礎年金月6万6008円×2人分)になります。この金額は夫が厚生年金でボーナスを含んだ1カ月あたりの平均収入が36万円、妻が専業主婦やパートで国民年金の第三号被保険者というご家庭の場合になります。夫婦2人が厚生年金に加入し、お互いに平均収入を稼いでいるという場合は、2人の年金額は月33万3168円になります。つまり、共働きの場合、月10万円(年120万円)以上年金額が増えることになります。
 専業主婦家庭と共働き家庭とでは生涯賃金で約2億5500万円、25年間の年金額で3000万円、合わせて約3億円の差が出るのです。
 また夫婦共働きであれば、収入増によるまとまったお金で資産運用をしたり、独立・起業を試みたりと前向きな挑戦がいくつもできます。例えば、我が家の場合、夫の再就職先が決まったので、私はFPとして独立するチャレンジができました。共稼ぎとなったことで、夫は家計を1人で支えなくてはいけないというプレッシャーから解放され、伸び伸びと働けており、またお互いに収入があることから、今は生命保険もかけなくて済んでいます。
(*)「国民生活白書」2005(平成17)年版。28歳で第1子出産、31歳で第2子出産と仮定。
 さらに共働きで収入を分散することは税金面でも有利です。所得税は累進課税のために男性1人の収入を上げようとすると高い税率を課されることがあります。しかし、専業主婦の妻が年収100万円を稼ぐ場合は、ほとんど税金がかからず、世帯の手取りを上げることができるのです。妻の年収が500万円という場合も、それほど所得税は高額になりません。理想的には夫婦で500万円ずつ稼ぐなど所得を分散させると、課される税率も低く、税金がおトクになります。
 思い返せば私自身、29歳独身時代に200万円の借金を抱え会社の先行きが不透明という崖っぷちに立たされました。しかし夫と結婚し、夫婦共に実質的な失業の時期を経験したものの、30代のいま共働きを続けたからこそ乗り越えてきた困難も少なくありません。
 先行き不透明な時代だけについ「病気や老後が不安だから」と保険に過剰に入ったり、リスクの高い金融商品に手を出しがちです。しかしそうした不安を解消してくれる「夫婦共働き」を武器に、不確実な時代に立ち向かう「サバイバル家計術」を実践していきましょう。私は皆さんの半歩先を歩き、行く先々の落とし穴や近道についてお伝えしたいと思います。
花輪陽子(はなわ・ようこ) ファイナンシャル・プランナー。1978年、三重県生まれ。青山学院大国際政治経済学部卒、外資系投資銀行に入行。OL時代は借金200万円の“貯まらん女”だった。新婚早々に「夫婦同時失業」というどん底を経験し現職に至る。著書に『夫婦で年収600万円をめざす!二人で時代を生き抜くお金管理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、共著書に『大増税時代を生き抜く共働きラクラク家計術』(朝日新書)、『夫婦で貯める1億円! 世帯年収600万円からできる資産づくり45のルール』(ダイヤモンド社)、『貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』(小学館)など。日経ウーマンオンラインなど連載多数。オフィシャルサイトURLはhttp://yokohanawa.com/

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