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「787」原因究明 なお難航 発煙トラブル1カ月

 高松空港で米ボーイングの最新鋭機「787」のバッテリーから発煙したトラブルから16日で1カ月が経過した。日米の運輸安全委員会が現在も調査中だが、組み込まれていたリチウムイオン電池が著しく損傷したこと以外、発煙の原因などはまだわかっていない。調査に時間がかかる理由は何か。背景を探ると3つの要因が浮かんでくる。

部品100万点

 第1の要因は航空機が「巨大な構造物」である点。一般に航空機の部品点数は100万~300万点と自動車の100倍ある。同じ100万点以上とされるロケットでも基幹部品に重大な故障があれば半年以上、打ち上げを延期することがあり、787も復旧には時間がかかるリスクがある。
 元日本航空機長で航空評論家の小林宏之氏は「早ければ3カ月で運航再開は可能だが、大幅な設計の見直しなどがあれば半年~1年かかるかもしれない」と話す。

電子制御

 第2の要因は787が「電気飛行機」である点だ。同機は小型・軽量化のため、最新の電子制御システムを採用している。以前の飛行機は油圧装置で機械的に主翼などを動かしていたが、787は電線1本で電気信号を介し、操作する。
 電子制御式だと大幅に燃費が向上する。だが複雑な制御システムの中のどこに問題があったのかを特定するのが難しくなる。発煙したリチウムイオン電池も壁だ。航空機の仕組みに通じた安全委の担当者は「これまでリチウムイオン電池に焦点をあてて調査したことはない。正直、知見が不足している」ともらす。

国際分業

 3つ目は生産体制だ。米シアトル郊外にある787の工場では生産ラインがほかの航空機と全く異なる。工程はたった4つで、翼や胴体など主要パーツを組み合わせるだけだ。大半のパーツは日本やフランスなど8カ国での国際分業で作られ、ボーイング自体が担う生産は35%しかない。
 これも裏目に出た。問題となった電源システムはシステムのとりまとめがフランス、リチウムイオン電池が日本、充電器は米国にまたがる。
 「ここから調べればわかるという手掛かりが何もない」と話すのは、発煙トラブルの原因調査にあたる運輸安全委員会の後藤昇弘委員長。高松空港での調査から始まり、バッテリーを製造したGSユアサ、バッテリーの制御装置メーカーの関東航空計器(神奈川県藤沢市)、米国の充電器メーカーなど安全委が調査のために立ち入った企業は5社にのぼった。
 事故原因の調査では各国の航空当局や調査委員会などが連携することになる。調査手法などのすり合わせは難しい。
 これまでにわかったのはほとんど、バッテリーで発煙が起きた事実だけだ。地道な調査は着実に実りつつあるとの見方もある。だが、先行して調査を進める米運輸安全委員会(NTSB)の経過報告も踏まえ、原因の糸口を早期にみつけだしていかなければ787の導入を前提に経営計画を立てている日本の航空会社への影響も大きい。

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