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パイロットの年齢上限を緩和 現行64歳見直し検討 国交省

パイロットの年齢上限を緩和 現行64歳見直し検討 国交省

 国土交通省は航空会社のパイロットの年齢制限を緩める検討に入った。現在64歳の上限を2015年度から1~2年延ばす。格安航空会社(LCC)の就航増などを背景にパイロット不足が深刻になっていることに対応する。併せて乗務時間制限の緩和や海外のライセンスを持つ外国人パイロットの登用促進策も打ち出す。27日に開く有識者会議で同省案として示す。

 人材確保策の柱は年齢上限の引き上げだ。国交省は上限を1996年に62歳、04年には64歳へと引き上げてきたが、運航上の問題は起きていないと判断した。

 自社でパイロットを養成できる大手と異なり、LCCなど新規参入組は若手を育てる資金的な余裕が乏しい。高齢でも熟練した技術を持つパイロットを即戦力として活用したい航空会社も年齢制限の緩和を望んでいた。国際的に上限年齢を64歳とする国が多いなか、日本が先駆けて65歳以上の人材活用に踏み出す。

 60歳以上のパイロットは「加齢乗員」と呼ばれ、通常の航空身体検査に加えて7項目の追加検査に合格する必要がある。国交省は安全に万全を期すため専門家を交えて検査のあり方などを見直し、64歳から1~2年程度の引き上げを検討する。

 乗務時間制限の延長も検討する。現在は国交省の通達で1カ月の飛行時間が100時間以内、3カ月は270時間以内などと決まっている。16年度にも新たに疲労度合いを科学的に管理する手法を取り入れ、航空会社がパイロットの体調を的確に把握できれば乗務時間を延ばせるようにする。

 乗務できる年齢の上限や乗務時間制限を延ばすかどうかは航空各社が労使協議で決める。

 政府は3月に自衛隊のパイロットを民間航空会社へ転身させる制度を約5年ぶりに再開した。より中長期的な対策として、パイロットを養成する私立大向けの支援も打ち出す。私大の養成コースは航空大学校より学費が高いため奨学金制度を創設する。海外で取ったライセンスを持つパイロットが日本の航空会社に勤める際の手続きも簡単にする。

 航空需要は世界的に拡大する見通しで、パイロットの不足感は一段と強まる。国交省によると、現在の年間供給は150~200人。現状のままだと40歳代が退職期を迎える30年ごろに年400人規模の採用が必要となり、年200人程度の不足が生じることになる。

 パイロット不足は12年の参入以来、路線網を急拡大してきたLCCを直撃している。関西国際空港を拠点とするピーチ・アビエーションはパイロットの採用が計画通りに進まず、夏場に予定していた増便をほぼそっくり取りやめた。5~10月に最大約2000便を減便する方針だ。

 成田空港を拠点とするバニラ・エアもパイロットの退職が相次いだため、6月に計154便を減便する。中国系の春秋航空日本(千葉県成田市)も必要な人数の機長を確保できず、8月1日に就航する成田発着の3路線のうち成田―高松線の一部の便を運休する。

 バニラがグループ会社の全日本空輸から機長の出向を受け入れるなど各社は対応に躍起だが、国内のパイロット数には限りがある。一部ではLCC同士で人材を引き抜きあっているとされ、健全な競争環境を取り戻すために規制の見直しを求める声もあった。

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