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滞納続くマンション管理費、管理組合が取るべき道

滞納続くマンション管理費、管理組合が取るべき道
5年で時効、最後は法的措置

 東京都の会社員Aさん(50)は最近、マンション管理組合の理事長になった。「生活が厳しいので…」という理由で過去3年間にわたって管理費を滞納してきたBさん(65)にどう対処すべきか悩んでいる。理事会では「このまま滞納が続くなら法的措置を取るべきだ」という声も出ているが、具体的にはどんな選択肢があるのだろうか。

 多くのマンション管理組合は管理費の徴収業務を管理会社に委託しています。ただし、標準的な契約書では、管理会社は支払期限から6カ月間、電話や自宅訪問などで支払いを督促するだけなので、Bさんのような長期滞納者への法的措置は理事長のAさんら理事会の責任になります。

 まずは理事会とBさんの話し合いです。Bさんが月々の管理費の支払いを再開してくれるなら、過去3年分は長期の分割払いにするのが現実的な解決方法です。

 その約束は公証役場で「公正証書」という公文書にしておくべきでしょう。一方、支払いの免除はたとえ一部であっても理事会の一存ではできませんので、管理組合の総会に諮ることになります。

 マンションの法律問題に詳しい小川敦司弁護士は「管理費を滞納しているからといってBさんの氏名を掲示したり、共用部分の使用を禁止したりすることは絶対に慎むべき」と言います。名誉毀損や生存権の侵害とみなされて法的責任を問われる可能性があるからです。対立感情が芽生えてしまうと、円満な解決も難しくなります。

 もっとも、話し合いで解決の糸口が見つからなければ、いずれは法的措置を取らざるを得ません。民法では管理費の滞納は支払期限から5年で時効になってしまうからです。時効が間近に迫っている場合は、Bさんに対して内容証明郵便を出して支払いを請求すれば6カ月間だけ時効の進行が止まりますから、その間に準備を進めることになります。

 まず簡易裁判所に「支払督促」を申し立てるのが一般的です。この手続きは書類審査だけなので、法廷に出ていく必要はありません。仮に滞納された管理費が50万円であれば申し立ての手数料は2500円。Bさんが2週間以内に異議を申し立てなければ、裁判所の権限でBさんの預貯金や給与などを差し押さえることができます。

 もっとも、預貯金は口座がある金融機関と支店、給与は勤務先が分からなければ差し押さえることができません。そこで、Bさんのマンション住戸を競売にかけることになるのですが、競売での売却代金よりも住宅ローンが多く残っていると、滞納された管理費は回収できません。住宅ローンの返済が優先されるからです。

 この場合、区分所有法では新しく所有者となる競売の買い手が「特定承継人」としてBさんの滞納した管理費の支払い義務を負うことになります。ただし、滞納している管理費などが多いと競売にかけても買い手が付きにくくなるかもしれません。

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