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羽田陣取り、雲の中 「スカイマーク・日航」に国交相慎重

羽田陣取り、雲の中 「スカイマーク・日航」に国交相慎重

 国内航空3位のスカイマークと日本航空との提携交渉が、「ドル箱」とされる羽田空港発着枠の争奪戦の様相をみせ始めた。日航による事実上の羽田枠の拡大につながりかねず、全日本空輸の反発は必至の情勢だからだ。25日には太田昭宏国土交通相が初めてコメントし、認可に慎重な姿勢を示した。スカイマークの再建策は競争政策のあり方を巡る議論に発展しつつある。

 「正直、日航が我々の提案に乗ってくるとは思わなかった」。スカイマーク幹部は競合関係にある日航が共同運航提案を前向きに受け入れたことに驚きを隠さない。幹部は「それだけスカイマークを全日空に奪われたくなかったのだろう」と推察する。

 1990年代以降の規制緩和で国内航空市場には新規参入が相次いだものの、多くは経営がたち行かず、全日空の支援を受けるようになっている。日航にとっては、最後の独立系であるスカイマークまでもが全日空陣営に入れば、国内線の勢力争いが決着してしまうとの懸念があった。

 最大の注目点はスカイマークが持つ1日36往復分の羽田国内線の発着枠の行方だ。

 人口減で伸び悩む航空会社の国内線だが、羽田と沖縄、北海道などを結ぶ幹線はドル箱だ。1往復分で年間20億円を稼ぐといわれる。各社単独で見た場合、羽田国内線における日航の発着枠シェアは39%と全日空(37%)を上回り、日航によるスカイマーク支援は行き過ぎのようにみえる。

 だが、AIRDOやスターフライヤーなど新興勢を含めた全日空陣営のシェアは、実は50%を超える。日航は今後の国交省との折衝の中で、8%のシェアを持つスカイマークと連携することで全日空と拮抗した競争環境を実現できる点を主張する考えのようだ。

 ただ、日航によるスカイマーク支援は一筋縄ではいきそうにない。羽田発着国内線は共同運航に国交省の認可が必要。太田国交相は25日の閣議後の記者会見で「健全な競争環境確保の観点から、(是非については)厳しく判断する」と強い口調で語り、慎重に審査する方針を表明した。

 国交省が気をもむのは、自民党議員からの反発だ。民主党政権下だった2010年の日航の破綻処理については「公的資金注入などの手厚い支援が競争環境をゆがめた」との不満が自民党内で今もくすぶる。12年の日航再上場の際には16年度まで新規投資や路線開設を制限することを確認する文書も作成された。

 その文書の効力が続く中で日航とスカイマークの提携を認めれば、与党内の不満を再燃させかねない。これまで「民間企業の経営には深入りしない」と無関心を装ってきた国交省も態度を改め、スカイマークには全日空とも共同運航することや、全日空による単独支援に切り替えるよう促しているもようだ。

 国交省は競争によって運賃の引き下げやサービス向上を促すため、全日空や日航に次ぐ第三極の育成を航空政策の柱に据えてきた。スカイマークの支援にあたっても、同社を独立した第三極として存続させる方針をぎりぎりまで追求する考えのようだ。

 円安に伴う燃油費上昇や格安航空会社(LCC)との競争激化でスカイマークの業績は急速に悪化しており、15年3月期には136億円の最終赤字となる見込み。同社は経営上の重大なリスクが出てきたとして事業継続に「重要な疑義がある」と開示している。

 超大型機の売買契約を巡り、欧州エアバスから巨額の違約金を求められる恐れもあり、スカイマークの再建は待ったなしの状況。西久保慎一社長は来年2月の共同運航に向け、「月内にも申請したい」と語った。しかし、衆院が解散し航空行政に関わる与党議員の体制が定まらないなかで、「国交省が意思決定するのは難しい」(関係者)。決着は衆院選後にずれ込む可能性もある。

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