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「要望を見抜く観察力が大事」 ANAHD片野坂社長インタビュー(下)

「要望を見抜く観察力が大事」 ANAHD片野坂社長インタビュー(下)

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 4月1日にANAホールディングス(9202)の社長に就任した片野坂真哉氏。全3回となる片野坂社長への単独インタビュー最終回は、サービスや求める人物像について。

 「次は宇宙へ」と今年の入社式の寄せ書きに記した気持ちや、おもてなしをはじめとするサービスへの思い、来年入社する人に求めることなどを聞いた。

4月からグループを率いるANAホールディングスの片野坂真哉社長=4月16日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

*初飛行の遅れが発表されたMRJやコスト削減について聞いた中編はこちら
*国際線の空白地帯への進出や、国内線の戦略、2社あるLCCを統合するかを聞いた上編はこちら

─ 記事の概要 ─
内なる宇宙へ
観察力を養う
飽きっぽい人は向かない

内なる宇宙へ

──1日の入社式では、寄せ書きに「次は宇宙へ」と記された。1月には10年後を見据えた長期戦略構想を発表しているが、どのように目指すか。

「自分の内なる宇宙にチャレンジして欲しい」=4月16日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

片野坂社長:長期戦略構想を発表した際、私たちは「トップキャラバン」と称して、役員が職場に赴き、目的を説明した。その時に社員から「どういう意味だ」と質問が出た。社員向けパンフレットの一番最後のページに載っているので、「宇宙に進出するのか」と聞かれた。

 私は、「将来ANAが宇宙に出ることがあるかもしれないが、社員ひとり一人の心の中にある、“こういうことをやってみたい”とか、“チャレンジできていない自分の領域は何か”とか、ちょっとキザだが自分の内なる宇宙にチャレンジして欲しい」と説明した。

 一方で私自身の個人的な思い出で言うと、1955年に入社して新入社員だったころ、社内報に「私の夢」というのがあり、「ANAは将来、宇宙事業に進出している」と書いた記憶がある。

 子供のころは天体やSFが好きだったので、ANAが月へ飛び出して月旅行とか、そういう時代が来るだろうと思っている。

観察力を養う

──国内航空会社のサービスはすばらしいという声がある一方で、やり過ぎではという意見もある。どういったサービスを目指していく’か。

「もう何杯もお酒を飲んでいるお客様は、おかわりを求めていない」=4月16日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

片野坂社長:サービスは奥深い。これから難しくなるのは、サービスする客室乗務員が非常に若いこと。人数も5000人が6000人、7000人に増えていく。

 若い客室乗務員が、お客様が望んでいることを見抜く観察力やハートを持っていかないといけない。

 何杯もお酒を飲んでいるお客様に、「おかわりはいかがですか」とマニュアルに書かれたとおり聞いても、このお客様はおかわりをもう求めていない。そういう観察力を養わなければならない。

 もう一つは、さまざまな国籍の方が来られる。生活慣習や好みが違うお客様へアピールするサービスだ。空港や機内サービス、コールセンターといったお客様との接点を、もっともっと磨きを掛けないと選ばれていかない。お客様との対話やコミュニケーションを深化させないと、アジアで選ばれていかない。

 これは各担当役員に一番がんばって欲しいと思っている。

飽きっぽい人は向かない

──来年はどういう人を採用したいか。

「ちょっと欲張り」な人物像を語った片野坂社長=4月16日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

片野坂社長:今年の入社式でフランス人の新入社員が宣誓した。人事部長時代に出したメッセージが、「外国人、女性、地方の人」だった。地方というのは、全国から集まって欲しかったからだ。

 基本は個性を持った人。いま私たちの会社では「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と受容)」を宣言している。多様な個性を持った社員を大切にして、個性が集まって大きな力になる組織や会社にしていく。

 もう一つは、ANAのDNAは元気がよく、バイタリティーのある人が多かった。こういったDNAは今後も会社の中で生きていくので、個性やバイタリティーがあり、人とコミュニケーションを取れる能力を備えている人が入ってきてくれればいい。

 安全を守っていくためには、パイロットも客室乗務員も、非常時には肝が据わった的確な判断が求められる。食の安全や個人情報の管理も、“うっかり”はダメ。

 トレーニングを重ねて重ねて立派なプロになっていくので、辛抱強くなければならない。飽きっぽい人は向いてないだろう。ちょっと欲張りだが(笑)。

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