季節のもの

雪上キャンプ、テントで鍋料理 氷点下でも快適

雪上キャンプ、テントで鍋料理 氷点下でも快適

2014/1/26 6:30 (2014/1/26 16:56更新)

 真冬に雪上キャンプを楽しむ人たちが増えてきた。電源の利用が可能なキャンプ場が増えており、氷点下でもテント内に電気カーペットなど暖房器具を持ち込めば寒さ知らず。家族連れで雪遊びや雪景色を存分に楽しむことができる。夏のキャンプとは違った魅力があるようだ。

延長コードを使いテント内に電源を引き込める施設が増えてきた

延長コードを使いテント内に電源を引き込める施設が増えてきた

こたつや電気カーペットを活用して防寒対策はバッチリ

こたつや電気カーペットを活用して防寒対策はバッチリ

■静かな環境、自然堪能

 日本列島にこの冬一番の寒波が押し寄せた3連休の初日の11日。雪上キャンパーに人気のキャンプ場、北軽井沢スウィートグラス(群馬県長野原町)に向かった。午後1時のチェックイン時間になると、キャンプ道具を載せた車が続々と入って来る。数日前に降った雪が残り、積雪は20センチメートル。標高1100メートルということもあり、気温は日中でも氷点下7度だった。

外では子どもたちが雪遊びを楽しむ声が寒空に響く

外では子どもたちが雪遊びを楽しむ声が寒空に響く

 それでも子どもたちが雪遊びを楽しむ元気な声が寒空に響く。かまくらを作ったり、雪合戦をしたり。その近くでお父さんがテントを設営し、飛ばないように固定するペグをハンマーで打つ音が響いた。

 11日はテントでの参加が12組。従来、冬は週末などの一時的な営業にとどめてきたが、昨シーズン(2012年11月)から通年営業を始めた。「冬の自然の厳しさも楽しんでほしい」と統括マネージャーの梶野寛丈さんは話す。冬期営業のキャンプ場はまだ少ないが、雪上キャンプを楽しむ人が口コミで増えている。

 「夏場よりも冬のキャンプが楽しいかも」。年間40回以上キャンプし、雪上キャンプの経験も多い長野県千曲市の寺島里志さんはこう話す。「夏はどのキャンプ場も満員で『難民キャンプ』状態。冬だと人が少なく、静かで自然を堪能できる」。冬は蚊もいないし、料理も暖が取れるうえに調理が簡単な鍋料理が中心というメリットまである。

月明かりに照らされる雪景色のキャンプ場。冬の澄んだ空気は天体観測にも向いている

月明かりに照らされる雪景色のキャンプ場。冬の澄んだ空気は天体観測にも向いている

■しっかり防寒、快適に

 雪上キャンプだと気温は氷点下になる。吹雪や強風だと雪上キャンプは難しい。このため天気予報を見極めながら予約を入れるのがコツ。ハードルが高そうにみえる雪上キャンプだが、着込むなど防寒対策を十分にすれば、楽しめると参加者は口をそろえる。

 各テントで寒さをしのぐ工夫をみせてもらった。テントで風は遮れるが、問題は雪上からの冷気。テント床面に断熱の銀マットを敷く。スウィートグラスにはテントサイト(区画)に電源があり、そこから延長コードを使って電源を引き込み、暖房器具を使っている。

 電気カーペットや電気毛布の活用が多く、こたつや電気ファンヒーターを持参するキャンパーもいる。いずれも家電量販店に行けば、数千~1万円程度で手に入るものばかり。寝袋も氷点下に対応したものを使用し、暖房器具と合わせて使えば、快適に過ごせる。

 この日は4組が初の冬キャンプ組だった。キャンプを始めて3年という栃木県小山市の三竿里美さんもその1人。仲間に誘われて参加した。「単独だと不安だけど、知り合いも一緒なので思い切ってやってみた」。普段は雪の中で寝ることはなく貴重な経験。「子どもも外遊びが好きだし、暖房器具を使えば思ったより寒くない。また来たい」と声を弾ませた。

キャンプの翌日はインストラクターの引率でトレッキングへ(後方は浅間山)

キャンプの翌日はインストラクターの引率でトレッキングへ(後方は浅間山)

 実際に記者も試してみた。キャンプは3年前に始めたが、年間回数は片手でも余る。もちろん雪上キャンプは初めてだ。初心者キャンパーが体験するとあって、キャンプ場のスタッフが寒さに備えてファンヒーターを貸してくれた。

 夕食は屋外でのバーベキュー。午後8時すぎの気温は氷点下10度だ。焼けたばかりの食材はすぐに冷めるからゆっくりと味わう余裕はない。ただ極寒の中、雪景色を眺めながら飲んだ熱かんは格別だった。

 記者が泊まったのはキャンプ場に常設されたテントで、室内にも電源がある。暖房には電気カーペットを使用した。寝袋の下に敷いて寝てみると、じんわりと温かく快適だ。そのまま寝たが、途中で汗をかき、目が覚めたほど。不安だったが取り越し苦労だった。

 翌日はキャンプ場が運営するスノーシューツアーに参加した。ふかふかの雪の上を歩き、動物の足跡や小さな冬芽などを見て回る2時間のツアーで、雪化粧した浅間山やすそ野の原生林の眺めがすばらしい。スキーとは違った楽しみがあった。

(倉本吾郎)

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「黒船」来襲 外資の衣料ネット通販、高級ブランド9割引きも

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アプリ開発に注力、日本市場攻略

 海外発の有力ファッション電子商取引(EC)企業が日本での存在感を高めている。海外ブランドの品ぞろえや割安感を打ち出してきた各社だが、足元では価格競争力に加えて利便性の高い機能やサイトのブランド構築に成功し、優良顧客の取り込みに成功している。スタートトゥデイの「ゾゾタウン」に代表されるファッションECだが、市場の順調な拡大の一方で、相次ぐ新規参入により競争環境は厳しさを増す。侵攻を図る「黒船」は台風の目となるか。

ユークスは利用者の4分の1がスマートフォン経由

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伊ユークス、ショー動画見ながら最新作を購入可能

 イタリアのEC大手ユークスが日本での事業を急拡大している。同社はアルマーニやマーク・ジェイコブズなど1000超のブランドを扱う「ユークス・ドットコム」を中心に、靴専門サイトなど複数の通販サイトを運営。2012年12月期の連結売上高は前の期比29%増の3億7590万ユーロ(約477億円)で、日本での売上高は57%増え、全体の1割弱を占めるまでになった。

 矢野経済研究所(東京・中野)によると、日本のファッションEC市場は15年度に10年度比2倍の9500億円に拡大、EC化率は6%になる見通し。しかし、高級ブランドや宝飾品の分野は、ブランド各社や百貨店がネット通販に慎重だったこともあり、いまだ真空地帯だ。高級ブランドのECで世界最大規模を誇るユークスが「最も成長余地が大きい」とみて開拓を急ぐ理由はここにある。

 同社の強みは日本の店頭では買えないブランドの品ぞろえや、70~90%割引きの大規模セールを頻繁に実施できる価格競争力。さらに、サイトの信頼性を高め優良顧客をひき付けるために重視するのが、ネット技術や世界水準のセンスに支えられた「演出力」だ。

 サイトの構成はファッション誌さながらの鮮やかなデザインや商品画像を多用。ニューヨークやミラノのファッションショーと連携し、ショーの動画を閲覧しながら最新作を予約購入できる。

 昨年9月には9つの言語に対応した音声検索を導入。昨年刷新したスマートフォン(スマホ)向けアプリは、処理速度やデザイン性にこだわり約200人のネット技術者が改良を重ねる。「ネットの活用で進化する消費者に、さらに上を行く付加価値を提供する」(フェデリコ・マルケッティ最高経営責任者)ことが勝ち残りのカギとみる。

東京都江東区のギルト・グループ潮見スタジオ

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米ギルト、商品写真を自前のスタジオで撮影

 高級ブランドを扱う外資系サイトでは米国発のギルト・グループも好調だ。日本での会員数は約130万人で、リピート率は6割以上。世帯年収1000万円超の会員は24%に上る。時間限定の「フラッシュセール」で最大8割引きを打ち出す同社だが、「安さだけでは差別化できない」(上田紀子ディレクター)との意識も強い。現地化による付加価値を追求する。

 例えば商品の調達や見せ方。日本で扱う商品は日本の消費者の嗜好に精通した日本法人のバイヤーがブランドと交渉し、昨年からは日本未進出の新興ブランドなどを担当者が直接米国や欧州に飛んで調達する仕組みにした。東京・江東の自社スタジオでは、一流のモデルやカメラマンが参加し、毎日最大50品目に上る商品写真を撮影。なじみの薄いブランドは詳細な解説を加えるなど工夫を凝らす。

 日本法人の体制は現在100人規模と、2年間で2倍超に増加。「日本の有力ブランドの関心も高く、取引は順調に拡大している」(上田氏)。今後も日本独自のサービスや機能を拡充するという。

 2社以外にも、米小売り大手のニーマン・マーカスが資本参加するGLSホールディング(香港)が約1200ブランドをそろえ事業を拡大。中国のネット通販大手、麦包包(エムバオバオ)も日本法人を通じてバッグなどの販売を手掛けている。

伊ユークスCEOのフェデリコ・マルケッティ氏

伊ユークスCEOのフェデリコ・マルケッティ氏

「かなりの人数が日本のサービス強化に動いている」

伊ユークス、フェデリコCEOに聞く

 ユークスは昨年、通販サイトの刷新や新サービスの投入などの施策を相次ぎ打ち出した。来日したフェデリコ・マルケッティ最高経営責任者(CEO)に、ファッションECと日本市場の見通しについて聞いた。

 ――世界のファッションECのマーケットをどう見る。

 「ファッションEC市場の成長は確実だが、特にネットでの取り扱いが遅れていた高級ブランドは非常に有望だ。ネットで高級品を買うことに抵抗がなくなり、ブランド側もネット上で商品施策やサービスを洗練させることで世界中の消費者にブランドの魅力を伝えられる。我々との連携を望むブランドも増えている」

 ――日本では市場の成長と共に価格面の競争激化も指摘される。ユークスも値ごろ感が特色だが。

 「豊富な品ぞろえや希少価値の高い商品が競争力の源泉だ。値ごろ感は重要だが、世界的な人気ブランドの商品が日本のどこにいても手ごろな値段で購入できる点を伝えたい。我々には日本の店頭では購入できない新興ブランドの取り扱いも多い」

 ――デジタル端末の普及も市場の成長を後押ししている。EC企業はどのように対応すべきか。

 「日本ではスマートフォン(スマホ)経由の利用が全体の4分の1を占め、さらに増えるだろう。デジタル端末の進化に合わせたサービス改善は多大なコストがかかるが、洗練された消費者を取り込むためには企業側も洗練されるべきだ。我々のイタリアの本社には約700人の社員がいるが、かなりの人数が日本でのサービス強化のために動いている」

 ――円安傾向が続くことで日本事業への影響はあるか。

 「中長期的な成長戦略への影響はない。日本が非常に有望な市場であることに変わりはない」

 《日本勢減速、販促策に誤算》

「競合の動きを見据え、しっかり対策を打っていく」。スタートトゥデイの前沢友作社長は1月末の決算説明会で強調した。同社は2013年3月期の業績予想で売上高を期初予想から18.9%減、営業利益を25.6%減と下方修正。「競合はいない」と公言してきた前沢氏だが、競争環境の厳しさを認め「地に足の付いた経営を目指す」と話した。同業のマガシークは13年3月期に減収と最終赤字を見込み、NTTドコモの傘下入りを発表。苦戦が続くスタイライフは32.5%を出資する楽天が完全子会社化することで合意した。

 各社の失速の一因は販促の誤算にある。スタートトゥデイは昨年、夏セールなどの広告宣伝に8億円を投じたが会員獲得は想定の8割程度で、既存会員のアクティブ率も低下。マガシークも昨年、大規模販促を仕掛けたが「継続的な売り増し効果は得られなかった」(同社)。一方で無料配送やセールによるコスト負担が増し、収益力は低下している。

 立て直しの動きは急だ。スタートトゥデイは広告宣伝費を抑え、サイトの改良や独自の品ぞろえに注力する。マガシークは自分のショッピングリストを作成できる機能や検索機能を拡充する。

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