経済

日本のGDPの推移

日本のGDPの推移

日本のGDPの推移をグラフ及び時系列表にて掲載しています。

  • GDP(国内総生産)とは、国内の生産活動による商品・サービスの産出額から原材料などの中間投入額を控除した付加価値の総額。

名目GDPの推移

  • 名目GDPは、当年の市場価格により算出したものである。

日本

1980

1982

1984

1986

1988

1990

1992

1994

1996

1998

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

0

150,000

300,000

450,000

600,000

単位: 10億円

日本
1980 246,464.50
1981 264,966.29
1982 278,178.97
1983 289,314.59
1984 307,498.71
1985 330,260.58
1986 345,644.50
1987 359,458.42
1988 386,427.79
1989 416,245.86
1990 449,392.30
1991 476,430.98
1992 487,961.51
1993 490,934.25
1994 495,743.50
1995 501,706.90
1996 511,934.80
1997 523,198.30
1998 512,438.60
1999 504,903.10
2000 509,860.00
2001 505,543.30
2002 499,147.00
2003 498,854.70
2004 503,725.40
2005 503,903.00
2006 506,687.00
2007 512,975.20
2008 501,209.30
2009 471,138.60
2010 482,384.40
2011 471,310.80
2012 475,110.30
2013 480,128.10
2014 487,882.30
2015 500,736.90
1980198119821983198419851986198719881989
246,464.50 264,966.29 278,178.97 289,314.59 307,498.71 330,260.58 345,644.50 359,458.42 386,427.79 416,245.86
1990199119921993199419951996199719981999
449,392.30 476,430.98 487,961.51 490,934.25 495,743.50 501,706.90 511,934.80 523,198.30 512,438.60 504,903.10
2000200120022003200420052006200720082009
509,860.00 505,543.30 499,147.00 498,854.70 503,725.40 503,903.00 506,687.00 512,975.20 501,209.30 471,138.60
201020112012201320142015
482,384.40 471,310.80 475,110.30 480,128.10 487,882.30 500,736.90

単位: 10億円

数値はIMFによる2015年4月時点の推計

※SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ

実質GDPの推移

  • 実質GDPは、当年の物価変動の影響を除いたものである。

日本

1980

1982

1984

1986

1988

1990

1992

1994

1996

1998

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

200,000

300,000

400,000

500,000

600,000

単位: 10億円

日本
1980 269,833.88
1981 281,104.42
1982 290,596.21
1983 299,490.60
1984 312,859.56
1985 332,674.07
1986 342,092.33
1987 356,143.52
1988 381,596.01
1989 402,088.29
1990 424,494.26
1991 438,605.89
1992 442,198.20
1993 442,954.64
1994 446,779.90
1995 455,457.90
1996 467,345.70
1997 474,802.70
1998 465,291.70
1999 464,364.30
2000 474,847.20
2001 476,535.10
2002 477,914.80
2003 485,968.30
2004 497,440.80
2005 503,921.00
2006 512,452.00
2007 523,685.80
2008 518,230.90
2009 489,588.40
2010 512,364.20
2011 510,044.60
2012 518,989.30
2013 527,362.10
2014 527,049.70
2015 532,554.40
1980198119821983198419851986198719881989
269,833.88 281,104.42 290,596.21 299,490.60 312,859.56 332,674.07 342,092.33 356,143.52 381,596.01 402,088.29
1990199119921993199419951996199719981999
424,494.26 438,605.89 442,198.20 442,954.64 446,779.90 455,457.90 467,345.70 474,802.70 465,291.70 464,364.30
2000200120022003200420052006200720082009
474,847.20 476,535.10 477,914.80 485,968.30 497,440.80 503,921.00 512,452.00 523,685.80 518,230.90 489,588.40
201020112012201320142015
512,364.20 510,044.60 518,989.30 527,362.10 527,049.70 532,554.40

単位: 10億円

数値はIMFによる2015年4月時点の推計

※SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ

GDPデフレーターの推移

  • GDPデフレーター = 名目GDP ÷ 実質GDP × 100

日本

1980

1982

1984

1986

1988

1990

1992

1994

1996

1998

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

90

96

102

108

114

単位: 指数

日本
1980 91.34
1981 94.26
1982 95.73
1983 96.60
1984 98.29
1985 99.28
1986 101.04
1987 100.93
1988 101.27
1989 103.52
1990 105.87
1991 108.62
1992 110.35
1993 110.83
1994 110.96
1995 110.15
1996 109.54
1997 110.19
1998 110.13
1999 108.73
2000 107.37
2001 106.09
2002 104.44
2003 102.65
2004 101.26
2005 100.00
2006 98.88
2007 97.96
2008 96.72
2009 96.23
2010 94.15
2011 92.41
2012 91.55
2013 91.04
2014 92.57
2015 94.03
1980198119821983198419851986198719881989
91.34 94.26 95.73 96.60 98.29 99.28 101.04 100.93 101.27 103.52
1990199119921993199419951996199719981999
105.87 108.62 110.35 110.83 110.96 110.15 109.54 110.19 110.13 108.73
2000200120022003200420052006200720082009
107.37 106.09 104.44 102.65 101.26 100.00 98.88 97.96 96.72 96.23
201020112012201320142015
94.15 92.41 91.55 91.04 92.57 94.03

単位: 指数

数値はIMFによる2015年4月時点の推計

※SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ

名目GDP(USドル)の推移

  • 当年の為替レートにより、USドルに換算している。

日本

1980

1982

1984

1986

1988

1990

1992

1994

1996

1998

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

0

1,500

3,000

4,500

6,000

単位: 10億USドル

日本
1980 1,086.99
1981 1,201.47
1982 1,116.84
1983 1,218.11
1984 1,294.61
1985 1,384.53
1986 2,051.06
1987 2,485.24
1988 3,015.39
1989 3,017.05
1990 3,103.70
1991 3,536.80
1992 3,852.79
1993 4,414.96
1994 4,850.35
1995 5,333.93
1996 4,706.19
1997 4,324.28
1998 3,914.58
1999 4,432.60
2000 4,731.20
2001 4,159.86
2002 3,980.82
2003 4,302.94
2004 4,655.82
2005 4,571.87
2006 4,356.75
2007 4,356.35
2008 4,849.19
2009 5,035.14
2010 5,495.39
2011 5,905.63
2012 5,954.48
2013 4,919.56
2014 4,616.34
2015 4,210.36
1980198119821983198419851986198719881989
1,086.99 1,201.47 1,116.84 1,218.11 1,294.61 1,384.53 2,051.06 2,485.24 3,015.39 3,017.05
1990199119921993199419951996199719981999
3,103.70 3,536.80 3,852.79 4,414.96 4,850.35 5,333.93 4,706.19 4,324.28 3,914.58 4,432.60
2000200120022003200420052006200720082009
4,731.20 4,159.86 3,980.82 4,302.94 4,655.82 4,571.87 4,356.75 4,356.35 4,849.19 5,035.14
201020112012201320142015
5,495.39 5,905.63 5,954.48 4,919.56 4,616.34 4,210.36

単位: 10億USドル

数値はIMFによる2015年4月時点の推計

※SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ

購買力平価GDP(USドル)の推移

  • 購買力平価は、「為替レートは2国間の物価上昇率の比で決定する」という観点により、インフレ格差から物価を均衡させる為替相場を算出している。各国の物価水準の差を修正し、より実質的な比較ができるとされている。

日本

1980

1982

1984

1986

1988

1990

1992

1994

1996

1998

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

0

1,500

3,000

4,500

6,000

単位: 10億USドル

日本
1980 996.74
1981 1,135.32
1982 1,246.48
1983 1,335.34
1984 1,444.45
1985 1,585.09
1986 1,662.82
1987 1,775.31
1988 1,968.77
1989 2,155.16
1990 2,359.41
1991 2,518.99
1992 2,597.52
1993 2,663.86
1994 2,744.05
1995 2,855.69
1996 2,983.71
1997 3,083.22
1998 3,054.24
1999 3,094.80
2000 3,236.67
2001 3,322.20
2002 3,382.97
2003 3,508.57
2004 3,690.16
2005 3,858.50
2006 4,044.39
2007 4,243.03
2008 4,281.20
2009 4,075.29
2010 4,316.98
2011 4,386.15
2012 4,543.20
2013 4,685.29
2014 4,750.77
2015 4,843.07
1980198119821983198419851986198719881989
996.74 1,135.32 1,246.48 1,335.34 1,444.45 1,585.09 1,662.82 1,775.31 1,968.77 2,155.16
1990199119921993199419951996199719981999
2,359.41 2,518.99 2,597.52 2,663.86 2,744.05 2,855.69 2,983.71 3,083.22 3,054.24 3,094.80
2000200120022003200420052006200720082009
3,236.67 3,322.20 3,382.97 3,508.57 3,690.16 3,858.50 4,044.39 4,243.03 4,281.20 4,075.29
201020112012201320142015
4,316.98 4,386.15 4,543.20 4,685.29 4,750.77 4,843.07

単位: 10億USドル

数値はIMFによる2015年4月時点の推計

※SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ

<出典>

|

本当に老後資金は3000万円で足りますか?

先日、名目と実質の数字ははっきり区別しましょう - 名目/実質リターン他と書きましたが、この名目と実質の違いを理解するための例を一つ思いつきました。

「テストで10点しか取れない子が100点を取れるようにします。」
満点を10倍にします。以上。
実質的にその子が賢くなったり成長したわけではありませんが点数をインフレ化させることで名目の点数は増やすことができます。(100点満点のテストなら1000点満点にします。これなら100点満点で10点の子は100点になります。)

ここからが今回の本題です。
前回のテーマでも重要な役割を果たしたインフレ率が主役です。


老後資金は3000万で足りると試算された方、本当に3000万円で足りますか?

経済環境が大きく変わって日本が破綻しているから年金も無ければ、公的医療保険も無い……というような話ではありません。TPPによって自由診療だらけで医療費が暴騰したり、原発再稼働後の事故で日本が壊滅状況……というような話でもありません。

普通の経済環境の中の話です。
その中で老後資金は3000万円で必要と考えた時に3000万円で足りるでしょうか?
老後を迎える時点(65歳?)で3000万円の現金があれば足りるでしょうか?
見落としはありませんか?

3000万円の価値はいくら?

現時点で30歳の人が引退年齢とも言える65歳を迎えるのは35年後です。

今から35年前(1980年)を振り返ってみます。
以下のグラフはIMFのデータから1980年~2015年の日本とアメリカの物価の動きです。(1980年=1)
インフレ率 消費者物価指数 アメリカ 日本 IMF

アメリカは、この35年で物価が2.88倍になっています。
世界的にも珍しい低インフレが長らく続いていた日本でも1.35倍です。

インフレが進むということはお金の価値が下がるということです。
仮に過去35年のアメリカのように35年間で物価が2.88倍になるならば、お金の価値は1/2.88になります。

このような場合、35年後の3000万円は今の1042万円の価値しかありません。

「一時払いの年金保険で65歳時点に3000万円の保険金を確保してあるので老後資金は確保済み。他のお金は残さなくてOK。」のように、インフレを考慮せずに3000万円を必要額だと思っていたら危険です。
3000万円を用意したのに、実は現在でいうところの1000万円程度のお金しか用意できていないことになりかねません。

老後資金を見積もる際には、今の物価水準で計算されていることがほとんどです。しかし、自分が老後生活に入ったらその時の物価水準で支出が発生しますのでインフレ率を考慮に入れないと危険です。

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バーガー、日本はNYの6割 モノの値段を国際比較

バーガー、日本はNYの6割 モノの値段を国際比較 

 日本のビッグマックの価格はニューヨークの約6割──。円安が進み、円の購買力が低下している。海外に行けば物価高を実感、一方で訪日客は割安感を抱く。国際比較を通して、物価動向や為替を読むヒントを探る。

■「日本の家電は安い」

 8月から長期研究のため、日本から米カリフォルニア州へ家族と移り住んだ40代の大学教授。「オレンジジュースを買うのも尻込みしてしまう」と現地の物価水準に驚きを隠せない。スーパーでなるべく安い商品を選ぶ毎日だが、食費は妻と幼い子ども2人の計4人で1日15ドル(約1800円)は必要になる。「食材は1ドル=100円くらいが妥当な為替レートに感じる。通貨が安い国から来ると生活がかなり苦しい」と実感している。

 かつて「世界一高い」とされた東京の消費者物価。それが今では様変わりしている。日経ヴェリタスが世界主要都市の支局の協力を得て、国際展開する商品の販売価格を調べたところ、日本の日用品の物価が相対的に割安になっている実態がくっきり出る結果になった。

 例えばニコン(7731)のデジタルカメラでも主要機種の「D3300」。店頭価格はブラジルのサンパウロやトルコのイスタンブールと比べ大幅に低く、11都市で最も安かった。据え置き型ゲーム機「プレイステーション4」も把握できた都市の中ではシドニーに次いで安い。発売元のソニー・コンピュータエンタテインメントは「発売時には世界でほぼ同一の価格で買えることを念頭に価格設定している」というが、為替の円安進行や競争環境などを背景に店頭価格では日本の割安感が出ているようだ。

 日本を訪れる外国人旅行者は物価水準をどうみているのか。8月下旬、東京・銀座や東京・丸の内で25人の訪日旅行者に聞き取り調査をしてみると、家電製品や化粧品に特に割安感を抱いていることが分かった。

 中国から家族で訪れた10代女性は「日本の家電は安い。ラオックスでドライヤーや化粧品を買い込んだ」と大きな紙袋をみせてくれた。30代の中国人男性は「日本の物価は総じて安い。税が免除されるのも大きい」という。

 中国人だけではない。マレーシアから訪日した40代女性は、自動販売機で手軽に購入できる飲料について「便利に利用できるのにそれほど高くない」と驚いた様子で話す。4年前にも日本に来たというアラブ首長国連邦(UAE)出身の20代男性は「以前はもっと高い印象だったが、今回は高さを感じない。特に食料品は安くなった」という。

 欧米からの旅行者はなおさら日本の安さを実感している。2週間旅行したという20代の英国人カップルは「観光客向けの土産品を除けば日本で高いものはほとんどない。ロンドンのユニクロはもっと高いよ」と強調する。コロンビア出身で今はスペインに住む30代女性は「スペインではウイスキーの価格が高いと感じていたが、日本では安く買えるのがいい」と喜んでいた。

 逆に海外に出向いた日本人は物価の割高感を抱いている。およそ10年ぶりに出張でシンガポールを訪れた40代の会社員は「あまりの物価の高さに身がすくむ」と話す。飲料水や缶ビール、レストランでの食事など全てが「日本の常識とは桁違いに高い」。

 パリ中心部のスターバックスを訪れた日本人の女性観光客(29)は「日本でも高いイメージがあるが、パリではさらに値段が高い」とこぼす。個人旅行でほぼ毎年、ニューヨーク・マンハッタンを訪れる名古屋市在住の平岩恵理子さんは、定宿としているホテルの宿泊料が「年々上がっている。一昨年以降は滞在日数を9日から6日に縮めることにした」と残念がる。

 新興国では物価上昇率が日本に比べて高い。消費者物価指数(CPI)上昇率が前年比7~8%程度で推移するトルコ。イスタンブール駐在の日本人男性(49)は「年が明けたらビッグマックのセット価格が通常9.75リラ(約390円)から14.45リラ(約570円)に値上がりしていた」と嘆く。リラ相場の下落で物価上昇圧力も強まる。「近くビッグマックセットが20リラ(約790円)を超えるかもしれない」

 一方、ロシアはまだ割安感が残っているようだ。サンクトペテルブルクで自動車メーカーに勤める男性会社員(44)は「昨年後半からのルーブル安で電化製品は日本と値段が大して変わらなくなったので、モスクワで買うことにしている」と話す。モスクワに留学中の女子大生(22)は「マクドナルドは日本より安いのでありがたい。よく通っている」とうれしそうだ。

■日本、サービス価格は意外に高め おもてなし追求でコスト増

 観光客でごった返す8月下旬の銀座・中央通り。10代の中国人の女性観光客は「タクシーは高いね」と不満げだ。東京や京都を旅したという40代のスペイン人男性も「日本の交通費はなぜこんなに高いんだろう」と漏らす。銀座のほか東京駅周辺や東京・浜松町のはとバス乗り場でインタビューした訪日外国人客の多くが日本のサービス価格の高さを嘆いていた。

 日経ヴェリタスが実施した世界各都市の価格調査でも、食品や衣料品などモノの値段とは対照的に、サービス価格の高さが目立っている。行ける距離に違いはあるが、東京のタクシーの初乗り料金は730円で、パリの951円に次ぐ高さだ。観光都市イスタンブールの5倍を超える。

 「最近、出張で欧米やアジアを回ったが、どこも一流ホテルは手ごろな価格だった」と、日本の金融機関に勤める30代の男性はこう振り返る。世界の都市の中でも、日本のホテルの宿泊料金は比較的高い傾向にある。例えばヒルトンホテルで8月末にツインに1泊した場合の料金は、東京が4万4913円と最も高かった。一方、最も安いのはモスクワで1万2408円で、3.6倍の差が出ている。映画館の大人料金も、東京は1800円と10都市で2番目に高い結果だった。

 日本のサービスの価格はなぜ高いのか。エコノミストら専門家に聞くと、きめ細かな部分まで気を回し、顧客の満足度を最大限まで高める「おもてなし文化」がコスト増につながっていると見る。「最高レベルのおもてなしを提供するために、IT(情報技術)や機械を利用した省人化によるコスト削減が進んでいない」と大和総研の小林俊介エコノミストは分析する。

 東京の最低賃金は時給ベースで888円で、新興国よりも高いが、ニューヨークやパリなどに比べて安い。米国のホテルの受付などは、高い人件費を抑えるため人を減らして機械化を進めて、価格を下げる動きもある。

 サービス業での効率化の遅れは経済産業省のデータにも表れている。日本の非製造業の1時間当たりの労働生産性(2009年)は27.6ドルと、米国の51.2ドルから大きく引き離されている。ドイツ(44.8ドル)、フランス(39.0ドル)、英国(34.8ドル)と比較しても、日本の非製造業の生産性は低い。非製造業の生産効率の低さが、サービス価格の高さに跳ね返っている面がある。

円の「総合的な価値」過去最低水準に

 世界でモノの値段を見ると日本は安くなっている。円建てで見ると例えばビックマックはニューヨークでは645円(5.32ドル)に対し日本は360円前後だ。同じモノは同じ価格、との前提に立つと、1ドル=68円程度の為替レートであればほぼ同じ価値を実感できる。ただ実際は異次元緩和以降の円の過小評価が影響し、足元のレートは120円程度だ。モノの値段から見れば行き過ぎた円安水準にある、とも言える。

 「購買力平価などからみると120円はかなり円安。105円くらいが妥当」。浜田宏一内閣官房参与は4月、円の過小評価に警戒感を示した。

 浜田氏が例に挙げた購買力平価とは、物価の動向を踏まえた為替レートの考え方だ。モノの価格が上がれば、通貨の購買力は下がる。貨幣の購買力は物価上昇率に左右され、為替レートの変化は2国間の物価上昇率の差に等しくなる、とみなす。

 例えば物価上昇率が米国で2%、日本が1%であれば、通貨の価値は米国で2%、日本で1%下がったとみなせる。ドルと円でみれば物価上昇率の差となる1%分だけ円の価値が高まり、その分円高方向に動く。

 変動相場制に移行した1973年から購買力平価の推移を見ると、企業物価ベースで73年1月には262円40銭だったが、2012年10月には95円86銭まで円高・ドル安が進んだ。アベノミクス以降の円安・ドル高進行で、15年5月には99円91銭まで下落しているがそれでも普段ニュースで見聞きする名目為替レートとは2割も乖離(かいり)している。

 円の過小評価はなぜ起きているのか。背景にあるのは物価上昇率以外の要因だ。投機筋の円売りの加速や日本企業による積極的な海外投資などが影響している。

 海外から見て、日本の物価が安く映るもう1つの理由は長年続いたデフレにある。この状況は実質実効為替レートで説明できる。物価の違いを調整し、多くの国の通貨との関係で円の総合的な価値を示す指標で、デフレにより円は安くなる基調にあった。さらに日本企業の競争力が低下した影響や、2013年4月、日銀の異次元緩和でお金が多く出回った結果、ドルなどに対し円安が進んだ。2010年を100とすると、7月時点で69.07だった(日銀調べ)。1980年以降では最低水準にある。

 日本の実質国内総生産(GDP)は2014年で487兆円と、アベノミクス直前の12年と比べて2.5%増加したが、ドル建てでは12年比で28%も落ち込んでいる。ドルを持つ人から見れば日本の「国力」は低下したように映る。

 みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは「円安は企業業績の押し上げに寄与するが、家計をむしばんでいる」と指摘する。4~6月期のGDPは3四半期ぶりのマイナス成長だったが、主因は個人消費の悪化だ。円相場がこの間、125円台まで下落し、輸入物価の上昇に合わせた食料品などの値上がりで、実質な所得が落ち込んだ。

 モノの値段の国際比較で分かったのは東京の価格が世界的に見てかなり安く、背景に円の過小評価があるということだ。みずほの唐鎌氏は「購買力平価と名目為替レートが2割も乖離しているのは異常な状態で、過去の例を鑑みるといずれ円高方向への水準訂正の動きがありそうだ」とみている。

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「社員に優しい」は買い、コスト増にも経営者自信

「社員に優しい」は買い、コスト増にも経営者自信

 日経平均株価が15年ぶりの高値を更新した株式市場で、賃金や福利厚生費を増やすといった「社員に優しい企業」が注目されている。コストを増やしても成長できるという経営者の自信の表れとしてとらえられているためだ。社員の懐が温かくなれば消費の拡大に向かい、経済全体が好循環へ向かうだけに、息の長い投資テーマになりそうだ。

 12日、8年ぶりの高値を更新した宿泊予約サイトの一休。訪日外国人観光客が増えて都内の宿泊施設の需給が引き締まり、客室単価が上昇。受取手数料が増えるとの期待が買い材料の1つだが、実はそれだけではない。

 ある運用会社のファンドマネジャーはこう評価する。「稼いだ利益を社員に還元する会社だ」。一休はアベノミクス相場が始まった直後の13年3月に社員に一律50万円の特別賞与を支給。14年4月には3%のベースアップ(ベア)を実施するなど社員に報いてきた。

 来週は全社員130人が箱根の高級旅館「強羅花壇」に泊まる初めての社員旅行を催す。総費用は約1千万円。今回は、筆頭株主として受け取る株式配当を原資に森正文社長が個人で支出するため会社の費用は増えないが、「来期の大幅増益を目指し社員の結束力を高める」(森社長)のが狙いという。


 人件費の増加は企業にとっては固定費の上昇につながるのに、買われるのはなぜか。大和住銀投信投資顧問の門司総一郎氏は「コスト増以上に企業経営者が将来に自信があることを前向きに評価できる」と話す。

 今年に入って上場来高値をつけた「長崎ちゃんぽん」で知られるリンガーハットも2~3月にかけて450人の全社員を対象にハワイで経営説明会を開いた。渡航・宿泊費用は会社で負担する。外食産業では人材不足が深刻で、福利厚生の充実で人材の流出を防ぐ。


 賃金引き上げに動く企業の株も買われている。12日、1990年7月以来、四半世紀ぶりの高値を更新した味の素は、社員の基本給を一律に引き上げるベースアップを2年連続で実施する。業種別日経平均で上昇率トップとなった保険、同3位の陸運なども賃上げに動き始めた企業が多い。

 東証1部企業全体でも興味深い傾向が浮かび上がる。3月期決算企業を対象に4~12月期に「人件費・福利厚生費」を増やした171社を対象に、昨年3月最終週に同じ額を投資したとして平均株価をはじくと、12日までに37%上昇と日経平均の29%を上回った。

 人件費を増やした結果、今期営業減益になる企業の株も買われている。タカラトミーの株価は5日、約5年ぶりの高値を更新した。

 企業のヒトへの投資で社員の懐が温かくなり「国内総生産(GDP)の6割を占める消費の拡大につながると海外投資家は期待している」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)。企業がため込んできたお金の使い道として、株主配分、M&Aや設備投資に加え、従業員への投資という「3本の矢」を企業が放つことができるのか。株高持続の条件になりそうだ。

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仲居さんにセンサー装着 がんこフードの「科学接客」

仲居さんにセンサー装着 がんこフードの「科学接客」

 東京・銀座の和食店、がんこ銀座四丁目店。街の喧騒から隔離されたくつろぎ空間は、商談の場としても人気が高い。ここが、過去数回にわたり科学的・工学的アプローチによる「おもてなし研究のフィールド」になった。顧客が望む十分な接客ができているのか。それをつかむため“仲居さん”にセンサーを付け、行動を分析。おもてなしのレベルを高め、夜間の注文件数を4倍に伸ばすことに成功した。

がんこ銀座四丁目店(写真:村田和聡)

がんこ銀座四丁目店(写真:村田和聡)

 サービス業では、顧客の評価に直結する接客の善しあしが、現場スタッフの経験や気配りで決まりがちだ。そんな属人化している接客現場にセンサーを導入し、変革を進めているのが、がんこフードサービス(大阪市淀川区)である。センサー経由で集めたデータを、顧客サービスの改善に役立てている。

 顧客をもてなす時間が十分取れていないのではないか。和食店、がんこ銀座四丁目店での接客業務について、がんこフードサービスの新村猛副社長は不安を抱いていた。2010年後半のことだ。

 東京・銀座の中心地に店を構える銀座四丁目店。落ち着いた雰囲気の和室で、寿司や天ぷらなど様々な料理を楽しめるとあって、先々まで接待や宴会の予約で埋まる。夜の宴会では、顧客からの注文がひっきりなしに入り、接客スタッフは大忙しだ。

 こんな状況で果たして接客に十分な時間を取れているか。それを科学的に検証するため、新村副社長は自身が研究顧問を務める産業技術総合研究所(産総研)サービス工学研究センターに協力を要請。銀座四丁目店で、スタッフの接客状況の把握に乗り出した。

■副社長がグロースハッカー

帯の結びを形作る「帯枕」にセンサー(写真左下)を仕込んで行動を分析。(店内写真:村田和聡)

帯の結びを形作る「帯枕」にセンサー(写真左下)を仕込んで行動を分析。(店内写真:村田和聡)

 実は新村副社長は、サービス工学分野で博士号を取得する研究者。工学的手法を用いてサービスの現場を改善したり、統計学を駆使して需要予測をしたりすることで、和食店舗のサービス向上を進める「グロースハッカー」としての顔を併せ持つ。

 グロースハッカーとは、データを駆使して、企業や事業、サービスを短期間でどんどん改善し、成長させる仕掛け人を指す。米フェイスブックなどには統計学やプログラミングのスキルを備え、直面する事業課題を素早く解決する人たちが多数在籍し、注目を集める。まさにグロース(成長させる)ハッカー(高度な専門知識を使って成果を出す人)である。

 新村副社長の要請を受けて動いたのが、サービス工学研究センターの蔵田武志行動観測・提示技術研究チーム研究チーム長。GPS(全地球測位システム)を利用できない屋内のサービス現場をセンサーで捉え、拡張現実で分析するエキスパートである。

接客スタッフの行動をPC上で可視化。緑色の線がスタッフの動線

接客スタッフの行動をPC上で可視化。緑色の線がスタッフの動線

 着物に身を包んだ接客スタッフである“仲居さん”にセンサーを装着し、その行動を1週間記録することにした。接客スタッフそれぞれの行動データをPC(パソコン)に取り込み、3D(3次元)のコンピュータグラフィックス(CG)で再現した店舗に、スタッフの動きを可視化。POS(販売時点情報管理)データも組み合わせ、「接客スタッフがどの時間帯にどこにいて、どれだけの注文を受け付けたのか」を2011年1月に分析した。

 その結果、夜の時間帯にスタッフが接客エリアにいる割合は、40%を割ることが分かった。本来なら接客に専念するはずだが、忙しさのあまり、調理場から料理を運ぶ配膳係の仕事を手伝っていたのである。

 「接客時間がかなり少ない…」。結果に愕然とした現場関係者は、直ちに対策を講じた。調理場から料理を運ぶ配膳係を増員し、役割分担を改めて明確にした。

産総研と実施したセンサーによる行動分析を通して接客戦術を見直し、成果を出す

産総研と実施したセンサーによる行動分析を通して接客戦術を見直し、成果を出す

 さらに午後2~5時は、注文が少ない時間帯であるという調査結果に着目。その時間帯は、接客を最小限にとどめて、夜の繁忙時間のための準備に振り向けることにした。

■接客強化で注文件数が4割アップ

 改善の効果はてきめんだった。夜間の接客時間を多く取るようにしたことで、注文の件数は以前よりも約4割増えた。接客エリアの滞在時間をあえて減らした午後2~5時の注文件数も減らなかった。

 調査では、接客スタッフの店内の移動距離も測定した。トータルの移動距離は、改善の前後で変わらず。スタッフの作業負担を増やさず注文の件数を拡大できたわけだ。

 その後も改善活動を続けた。センサーによる接客スタッフの位置情報と、POSデータによる注文の受付件数を分析し、接客スタッフの最適な配置計画に役立てた。

ベテランは持ち場とそれ以外の注文も受け付けるので「守備率が高くて専念率が低い」。新人は持ち場でも他でも受け付ける注文数が少ないので「守備率と専念率が低い」。理想は自分の持ち場だけで全注文を受け付ける「守備率と専念率がともに高い」状況である

ベテランは持ち場とそれ以外の注文も受け付けるので「守備率が高くて専念率が低い」。新人は持ち場でも他でも受け付ける注文数が少ないので「守備率と専念率が低い」。理想は自分の持ち場だけで全注文を受け付ける「守備率と専念率がともに高い」状況である

 接客スタッフ個々に、担当する持ち場を決めたことで、それまで多くの顧客から注文を受け付けていたベテランの負担が激減。その一方で新人スタッフの当事者意識が高まり、顧客からの注文を“取りこぼす”ことがなくなった。「センサーによる行動履歴データとPOSデータの組み合わせが奏功した」と蔵田研究チーム長は話す。

■准教授の協力で「シミュレーター」開発

 がんこフードサービスの工学的アプローチはこれだけにとどまらない。2013年から、料理の注文を受け付けてから配膳するまでの時間、すなわち“リードタイム”の短縮に挑んでいる。

 注文した料理がなかなか来なければ、顧客は「いつまで待たせるんだ」といらだつもの。レストランが対象のサービス工学の研究でも、「リードタイムが短いほど顧客満足度は上がるが、長くなるほど顧客満足度は下がる」と分かっている。

 新村副社長はリードタイム短縮のため、再び外部のプロの力を借りた。オペレーションズリサーチの専門家、神戸大学の藤井信忠大学院システム情報学研究科システム科学専攻准教授の協力を得て、「調理場シミュレーター」を開発し、店舗設計に生かしている。

 調理場シミュレーターで、オーブンやフライヤーといった調理設備を配置した調理場をPC上に再現し、そこに料理人を配置。店舗のPOSデータに基づく1日の注文データを投入し、料理人に負担をかけず、効率よく調理できるかどうかをシミュレーション。改装する店舗や新店舗の調理場レイアウトの設計と料理人の配置に役立てている。

調理場シミュレーターで料理提供のリードタイムを短縮。従業員と装置を配置し、実店舗の注文データを投入してスムーズに料理を提供できるかどうかを検証

調理場シミュレーターで料理提供のリードタイムを短縮。従業員と装置を配置し、実店舗の注文データを投入してスムーズに料理を提供できるかどうかを検証

 店舗の改装で成果を出したのは、2013年末にリニューアルした大阪市北区のがんこ曽根崎本店だ。

 調理場シミュレーターを活用したところ、「フライヤーがフル稼働し続けている」「持ち場によって料理人の忙しさが違う」など様々な課題が見つかった。調理設備の台数や位置、料理人の役割分担を見直した。

 こうして最適解を見つけ出し、曽根崎本店の調理場を改善。リードタイムを以前に比べて2割ほど短縮した。「出来立ての温かい料理が楽しめる、とお客様からも好評だ」と新村副社長は笑顔で話す。

 京都市伏見区に新規出店した京都下鳥羽店も、シミュレーターを使って調理場を設計した。シミュレーションを9回繰り返して調理場レイアウトを決め、2013年9月に開店。運営が軌道に乗った時点で、1時間に料理人1人が生み出す売上高を調査し、シミュレーターを使わずに設計した店舗の実績と比較してみた。

 すると、調理場の設計にシミュレーターを使っていない店舗に比べ、売上高が3割高いことが分かった。料理提供のリードタイムを縮め、顧客満足度と売り上げの両方を高めたがんこの取り組みは、リアルな現場におけるグロースハックの好例といえる。

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